特許庁の全出願データから、企業がどこに発明を寄せてきたかを読む
関係性

発明者の残存と移動先

ある期間にある分野で出していた人が、後の期間に社内のどこにいるか。撤退・再編のような「いつ」が決まった出来事に当てる

指標名: inventor_era_shift(ご依頼・再依頼のときは、この名前をそのまま指定できます)

何を測っているか

事業を畳んだ会社で、その分野の発明者が社内の別分野へ移ったのか、出願記録から消えたのかを人数で数えます。1人ずつキャリアを追う inventor_trajectory と違い、期間を前期・後期の2つに切って(前期の分野×後期の分野)の行列にするので、撤退の前後比較にそのまま使えます。

どう数えているか

同一人物の判定は inventor_trajectory と同じ(同一出願人内の氏名一致・NFKC変換+空白除去)です。残存率=前期にその分野で出していた人のうち、後期にも何かの出願に名前が出ている人の割合。移動の行列は、残った人の前期の主分野×後期の主分野の人数です。

この指標で言えないこと

  • 移動率(後期の主分野が変わった人の割合)は撤退の指標になりません。実測では、カメラ事業を続けたキヤノンの方がニコンより移動率が高く出ました(53.5%対37.9%)。多角化企業では人が製品間を移るのが平常運転だからです。効くのは残存率です
  • 残存率は後期の出願総数に強く引きずられます。会社全体の出願が10分の1になれば、誰も辞めていなくても残存率は落ちます。後期の出願数の列と必ず並べて読みます
  • 「消えた」は、退職と、特許を出さない職務への異動を区別できません
  • 旧字と新字は別人になります。全国の発明者名簿に1,000件以上出てくる氏名は対象者の0.7〜1.2%で、行列の形を変えるほどではありません(実測)

必要なデータ

  • 発明者
  • 分類
  • 出願
各テーブルの粒度と期間は扱えるデータと指標の表にあります。

記事で使った例

ニコンのカメラ・レンズ系の発明者1,008人のうち、2016年以降も出願に名前が出たのは610人(60.5%)。カメラ側から露光装置へ渡った人は16人でした

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