特許調査(技術分野の母集団調査)
会社ではなく技術分野で母集団を組み、その定義ごと納めます。 何を入れて何を外したかが書いていない件数は、あとから使えないためです。
- 新しい分野に入る前に、その分野の出願が何件あり、誰が出しているかを押さえる
- 社内で使っている件数の根拠が分からなくなったので、定義書ごと作り直す
- 先行技術調査の前段として、読むべき公報の候補を分野から絞り込む
分野で母集団を組む
発明の名称とIPC・FIの両方で当てます。片方だけでは足りません。 全固体電池で組んだときは、名称だけでは3分の1しか取れず、分類コードだけでは 名称に「全固体」とある442件が落ちました。確かなもの(芯)10,083件と、 周辺(周縁)27,844件に分けて数えます。
種類別・年代別に数え分ける
国内出願とPCT国内移行を分けます。同じ分野でも、分けないと 「2022年がピークで減少中」、分けると国内出願は2024年が過去最高、 という具合に向きが変わります。出願年も、出願日から取らないと 同じ出願を2つの年で数えます(実測 263,388件中 18,340件=7.0%)。
関連公報を洗い出し、本文から拾う
名称で引けない技術があります。「ネックボンド」を名称に含む登録公報は0件で、 関連するIPCの登録公報4.4万件の本文を走査して159件を見つけました。 必要なら、その本文から製造条件と測定法まで書き出します。
受けるもの
- 技術分野の母集団づくりと件数の集計
- 技術動向(年ごと・分野ごとの増減、主戦場の入れ替わり)
- 出願人の比較(競合3社との並置、全国シェア)
- 先行技術調査・無効資料調査の候補文献の抽出。 抽出までで、その文献で有効・無効を判断することは行いません(お手元または弁理士でご判断ください)
受けないもの
- 侵害予防調査(FTO)。手元のデータに権利の存続・消滅の情報を取り込んでおらず、 いま生きている権利かどうかを判定できないためです
- 有効性・抵触の判断(鑑定)。弁理士の業務です
- 定期監視(SDI)。新しい公報を定期的に拾って知らせる仕組みを持っていません
母集団の作り方を間違えても例外は出ません。件数だけが静かにずれます。 実測で踏んだものを先に出します。
- 語で当てると別物が入ります。「固体電解質」で当てると、固体電解質“型”燃料電池(SOFC)が2,158件混じりました。分野を切るたびに「その語を含むが別物」を数えて外します
- 筆頭のIPCだけで母集団を作ると落ちます。ある材料分野では、材料名を発明の名称に書いた登録公報が125件しかなく、全IPCで切って本文を確認して643公報にたどり着きました
- 直近3年はPCTを多く使う会社ほど強く目減りします。ある分野のPCT比率は2021年30.3%→2024年7.4%で、直近年で会社を比べると順位が壊れます
母集団の定義書
使った語・分類コード・除外の条件を、そのまま回し直せる形で書きます。半年後に同じ条件で数え直せます。
件数表
年ごと・種類ごとの実数。国内出願とPCT国内移行、芯と周縁を分けた列を持ちます。
CSV
図に使った数字をそのまま置きます。公報番号の一覧が要る場合も同じ形で出します。
除外した語と件数の一覧
何を外したかと、外した件数。ここが無いと、あとから母集団を広げ直せません。
実測で確認したものだけ並べます。ここを踏むと、それらしい数字が出てしまい、誤りに気づけません。
- 母集団に入らなかった公報は数えられません。定義書に書いた条件の外は、「無い」ではなく「見ていない」です
- 直近3年(2023年以降)の件数は実際より少なく出ます。出願から公開まで原則1年6か月、PCT経由の国内移行は優先日から30か月かかるためです。図では網かけにし、「近年減少している」とは書きません
- 国内の出願だけを見ています。海外にしか出していない出願は入りません
ご相談
分野の名前と、知りたいことをお知らせください。母集団の候補と件数を出すところまでは費用をいただきません。
メールソフトが開かない場合は、[email protected] 宛に件名「特許調査のご相談」でお送りください。