特許庁の全出願データから、企業がどこに発明を寄せてきたかを読む

特許調査の費用相場|調査の種類ごとに公開料金を並べた

特許調査の費用は、調査の種類で桁が変わります。出願前の先行技術調査は簡易版で1万円台から、通常版は数万円から十数万円。無効資料調査と侵害予防調査は数十万円が公開料金の中心です。

このページには、料金を自社サイトで公開している事業者の金額を種類ごとに並べました。金額はすべて2026年9月19日に各社のページを開いて確認したものです。事業者の評価は書かず、金額とそこに書かれている条件だけを並べます。税の表記は事業者ごとに違うので、税込・税別のどちらで書かれているかを各行に付けました。表記のない事業者は「記載なし」としています。

調査の種類

目的が違うと読む件数も読み方も変わります。費用の話をする前に、どれを頼むのかを決めます。

種類何のために成果物
先行技術調査(出願前・審査請求前)出願する前に、同じ発明が既にないかを確かめる近い文献の一覧と対比表(発明を構成要素に分け、各文献の記載と照らし合わせた表)
無効資料調査他社の特許を無効にできる資料を探す無効の根拠になりうる文献
侵害予防調査(クリアランス調査)自社製品が他社の権利に触れないかを確かめる抵触の可能性がある権利の一覧
技術動向調査・パテントマップ分野の広がりと担い手を知り、図にする件数の推移、出願人の順位、分野構成
SDI(定期監視)特定の会社・分野の新しい公報を継続して追う定期配信のリスト

件数の目安が違います。先行技術調査は読む件数を100〜300件程度と決めている事業者が多く、侵害予防調査は「無いこと」を確かめる調査なので母集団を絞れません。この差が、そのまま金額の差になっています。

先行技術調査(出願前・審査請求前)の公開料金

事業者料金条件
日本アイアール出願前調査 65,000円〜(1発明あたり)調査件数200件程度。審査請求前調査は65,000円〜(独立項1項)+従属項1項5,000円〜。税抜
テクノリサーチ新規性調査(国内)メカ30,000円/制御・方法60,000円/化学・電気110,000円母集合100件。税の記載なし
スマートワークス出願前調査 国内66,000円/海外77,000円スクリーニング対象100〜300件が目安。税込
技術トランスファーサービス簡易先行技術調査 88,000円より検索代行は55,000円+実費。税込
アイ・エー・シー出願前先行技術調査 88,000円〜納期5日〜。税込
IPTech弁理士法人先行技術調査 10万円日本特許100〜200件程度、2週間以内。税別
AIPリサーチ新規性調査 5万円〜/出願前調査 10万円〜イージー特許調査は1万2千円。税の記載なし
弁理士法人IP-FOCUS出願前調査 簡易版50,000円〜/詳細版 機械系100,000円〜・材料系150,000円〜簡易版は母集団〜200件、詳細版は〜500件程度。税の記載なし

無効資料調査の公開料金

事業者料金条件
日本アイアール工数ベース、ミニマム料金100,000円(国内)/150,000円(外国)構成要件対比表の有無で変動。税抜
スマートワークス国内 独立項176,000円/1項、従属項33,000円/1項標準納期4週間前後。税込
アイ・エー・シー165,000円〜納期2週間〜。税込
技術トランスファーサービス国内275,000円より/海外385,000円より税込
テクノリサーチ国内 メカ330,000円/制御・方法570,000円/化学・電気810,000円母集合800件。税の記載なし
弁理士法人IP-FOCUS機械系350,000円〜/材料系450,000円〜独立請求項ごと+20,000円、従属請求項ごと+10,000円。税の記載なし
アイビーリサーチ750,000円(税込825,000円)1請求項あたり
AIPリサーチ15万円〜特許無効・異議申立・刊行物提出。税の記載なし

侵害予防(クリアランス)調査の公開料金

事業者料金条件
アイ・エー・シー165,000円〜納期2週間〜。税込
スマートワークス国内 検索式作成のみ176,000円〜/粗抽出まで258,500円〜/1観点346,500円〜/2観点456,500円〜抽出ありは500件の場合。税込
AIPリサーチ20万円〜納期2週間程度。税の記載なし
弁理士法人IP-FOCUS機械系250,000円〜/材料系300,000円〜1技術あたり。税の記載なし
テクノリサーチ国内 メカ300,000円/制御・方法600,000円/化学・電気900,000円母集合1000件。税の記載なし
アイビーリサーチ750,000円(税込825,000円)20年間遡及、1案件

技術動向調査・パテントマップの公開料金

事業者料金条件
AIPリサーチ他社技術動向調査 10万円〜/パテントマップの作製 30万円〜納期1〜3週間。税の記載なし
アイ・エー・シー技術動向調査 220,000円〜納期2週間〜。税込
テクノリサーチ主題・動向調査 国内 メカ220,000円/制御・方法400,000円/化学・電気580,000円母集合600件。税の記載なし
スマートワークスパテントマップ 275,000円〜/資料作成 13,200円(仕上がり1スライド・国内)標準納期4週間。税込
日本アイアール工数ベース 39,000〜49,000円/人日(国内)検索式作成のみは30,000円〜。税抜

SDI(定期監視)の公開料金

事業者料金条件
日本アイアール日本 2,000円〜/月、外国 5,000円〜/月納品形式により異なる。税抜
アイビーリサーチ18,000円(税込19,800円)/月一技術分野あたり
アイ・エー・シーウォッチング/SDI 22,000円〜税込

料金が変わる要因

同じ「先行技術調査」でも金額に幅があるのは、次の5つが価格表の前提として置かれているためです。見積りを比べるときは、この5つが揃っているかを確認します。

  1. 決まり方。1件いくらの定額か、人日などの工数ベースか。上の表でも、日本アイアールの技術動向調査だけは人日単価(39,000〜49,000円/人日)で、定額の他社と直接は比べられません。
  2. 件数。母集団の件数と、実際に読む件数(スクリーニング件数)のどちらで決まるのか。上の表でも、母集団の件数まで書いている事業者と書いていない事業者があり、前提が違えば金額はそのままでは比べられません。
  3. 技術分野。分野で単価を分けている事業者があり、化学・電気が最も高く設定されています。
  4. 外国文献の有無。日本のみか外国まで見るかで母集団が数倍になります。英語以外の検索を別料金にしている事業者があります。
  5. 報告書の形式。文献リストだけか、構成要件対比表(請求項を構成要素に分け、各文献の記載と照らし合わせた表)まで付けるか。侵害予防調査では、抽出の観点を何本立てるかで段階的に上がります。

このほか、特急料金(標準料金の20%加算など)、データベース使用料、資料の取り寄せ費用が別立てのことがあります。

調査費用を軽くする公的な制度

いずれも2026年9月19日に公式ページで確認したものです。年度で内容が変わるため、利用前に各ページで最新の条件を確かめる必要があります。

制度実施内容
中小企業等特許先行技術調査助成事業一般財団法人日本特許情報機構(Japio)中小企業・大学・TLO・個人の特許出願を対象に、調査料金の大半をJapioが負担する助成事業。調査は提携する特定登録調査機関(一般財団法人工業所有権協力センター)が実施。依頼できるのは出願人自身で、出願番号が付いていてまだ審査請求していない出願が対象。請求項20項以内、年度内1件まで。遺伝子工学関連分野と化学構造式検索が必要な分野は対象外。この調査を経て審査請求すると、審査請求料の軽減を受けられる。利用者負担額は年度ごとの案内で確認します
特許調査費用助成事業公益財団法人東京都中小企業振興公社助成率2分の1以内、限度額100万円。対象経費は開発戦略策定費用、特許出願戦略策定費用、継続的なウォッチングに要する費用、侵害予防に要する調査費用。都内の中小企業者等で1年度1社1案件。令和8年度の最終受付は2026年10月1日17時。毎年度募集され、条件は年度ごとに変わります
INPIT知財総合支援窓口独立行政法人 工業所有権情報・研修館全国47都道府県に設置。弁理士・弁護士などの専門家が支援担当者と協業して助言。相談は無料
無料の知的財産相談室日本弁理士会出願手続、調査、鑑定、異議申立、訴訟などについて弁理士が無料で相談に応じる。各地域会で予約

調査そのものではありませんが、出願の費用側にも中小企業向けの軽減があります。内容は先行技術調査を自分でやる手順にまとめています。自分で調べる範囲を広げれば、外に出す部分も減らせます。手順は同じページとパテントマップの作り方にあります。

当方の料金と、受ける調査・受けない調査

当方は特許庁が公開しているバルクデータを手元の環境に持っていて、その全件集計を料金の土台にしています。金額は読む件数ではなく、母集団を確定する手間で決まります。

サービス料金(税別)内容
お試し集計1万円指定の分野または会社について、出願件数の推移と上位出願人を集計します
特許調査5万円〜技術分野で母集団を組み、定義書・件数表・CSV・除外した語と件数の一覧を納めます
特許分析8万円〜任意の会社・期間で出願を全件数え、分野構成・技術展開の指標・財務との並置まで図にします
技術支援20万円〜登録公報の本文から製造条件と測定法を読み出し、設計の幅や工程を資料にします

お試し集計を除き、いずれも下限の金額で、内容により変わります。着手前に見積りを提示し、合意するまで費用は発生しません。対象を伺って母集団の候補と件数を出すところまでは費用をいただきません。

受ける調査と受けない調査は次のとおりです。

調査当方の扱い
技術動向調査・パテントマップ作成承ります
先行技術調査・無効資料調査候補となる文献の抽出と母集団づくりまで。その文献で新規性・進歩性が否定できるかの判断は行いません
侵害予防(クリアランス)調査受けません
鑑定(有効性・権利範囲・侵害の成否の判断)行いません。弁理士にご相談ください
出願書類の作成、特許庁への手続の代理行いません
定期的な更新同じ条件で回し直せる形で条件書きを残しているため、可能です

参考

料金の出典です。いずれも2026年9月19日に当該ページを開いて確認しました。

公的な制度の出典です。